どうも皆さんこんにちは!ゲーミングデバイスレビュアーの「RYO(@ryo_blog_fps)」です^^
今回はROCCATさんより、2020年10月29日に発売されるゲーミングキーボード「Vulcan TKL Pro」をご提供頂けたので、実際の使用感を詳しくレビューしていきます。
「Vulcan TKL Pro」の特徴はこれ
- 新たに「Titanオプティカルスイッチ」を採用。光の通過・遮断で入力を検知することにより、反応速度は従来比の40倍という超高速での入力が可能
- 光学検知により、機械式の接点がない(無接点)方式のため、一般的なキーボードの2倍となる「キー耐久1億回」というとんでもない耐久性を誇る
- 打鍵音はかなり小さめ。打鍵感は抵抗のないリニアな感触で打ち疲れが少ないタイプ。アクチュエーションポイントが1.4mmと浅く、より高速な入力が可能
- 一般的なキーキャップの約半分の高さとなる「薄型キーキャップ」を採用。これによって発光面積が広く、RGB発光の良さが際立つ仕様
- 「音量調整ダイアル」と「ミュートボタン」が独立して配置してあるため利便性に優れた機能性
- 今の所「US配列のみ」しか販売されていない点では使い手を選ぶ。今後の日本語配列の発売を期待したい所
ウィークポイントとなるのは、ソフトウェアの使い勝手が一部限定的(キーバインド・EASY-SHIFT)で改善の余地があるという点。
これについては後ほど詳しく解説します。
開封レビュー
箱デザイン
箱を開封すると「Vulcan TKL Pro」がクリアフィルムで覆われて梱包されています。
ここで注意点が一つ。
箱にプリントされたキーボードのエンターキーはJIS配列と同じ形状ですが、本体のエンターキーは通常のUS配列と同様に横長キーとなっています。
US配列を好むユーザーにとっては安心材料ですが、JIS配列を好む人はご注意ください。
付属品
①キーボード本体
②取り扱い説明書(日本語表記あり)
③接続ケーブル
ケーブルは実測約3mmの編み込みケーブルを採用し、本体着脱式となっています。
接続ケーブルの端子は「USB Type-A」と「USB Type-C」。
付属品は以上の3点。有線式キーボードなので付属品は最小限といった内容です。
本体
サイズ感は、一般的なTKLキーボードと比較すると同等クラスで無駄なスペースのないまとまった外観です。
フルキーボードのROCCAT「Vulcan 121 AIMO」とサイズ感を比較。
テンキーを使わない分マウスの操作スペースが広くとれるのがTKLのメリットです。
同サイズ感の他社TKLキーボードと「Vulcan TKL Pro」を比較すると、本体重量はかなり軽量の部類。
「Vulcan TKL Pro」は、裏面が非金属製のためこの軽さを実現しています。
着脱式ケーブルとこの軽さにより、オフライン大会などでキーボードを持ち運びするゲーマーにとっても相性が良いキーボードと言えそうです。
金属フレームを採用しているため、軽いからと言って剛性も申し分ありません。
フレームの表面は、指紋汚れなどが目立ちにくい「ヘアライン加工」を採用しており、爪を立てると若干の引っ掛かりを感じる質感。
金属の表面処理加工の一種で、単一方向に髪の毛ほどの細かい傷をつける加工法、および、そのような加工方法による仕上げ方のことです。ヘアライン加工は、旋盤で表面に傷を付ける方法で施され、表面にはつや消しの効果が生まれると共に、金属的な質感を強調する効果があります。
フレームの全周端部には、斜めに1mmの面取り加工が成されており、角ばっていないため手が触れても痛くならない細やかな配慮も垣間見れます。
今回の「Vulcan TKL Pro」は、キーが浮き立つ「フローティングデザイン」を採用。
また「Vulcan TKL Pro」の最大の特徴である薄型キーキャップにより、スイッチのトップハウジング部がむき出しという外観が特徴的。
スイッチのステム部(赤色)もハッキリ見えるため視覚的なアクセントとなっています。
ここまでRGBが綺麗なキーボードは稀です。
デスク映えの破壊力は業界随一でしょう。
薄型キーキャップ
この薄型キーキャップはどれほど薄いのか。一般的なキーキャップと比較すると約半分の高さになります。
これによって、キートップの高さも一般的なキーボードよりも必然的に低くなっており、これが「Vulcan TKL Pro」=低背キーボードと分類される所以です。
低背キーボードのメリットは、指を持ち上げる角度が低く済むので使用中の疲労軽減効果があります。
そんなに高いパームレストでなければ、パームレスト併用もOK。
近年各デバイスメーカーが、新商品にこの「低背キーボード」を採用するケースが増えてきており、Amazonの売れ筋上位にもランクインしていることから、この「低背キーボード」の人気の高さが垣間見れます。
背面
本体表面のフレーム素材は金属製ですが、キーボード背面の素材は非金属製。
模様のような外観的特徴はなく、スタンダードな全面ブラックの色調です。
長幅の滑り止めラバーグリップが計5か所に設置。マウスがぶつかってしまってもキーボードがズレない位のグリップ力です。
角度を調整する「チルトスタンド」は2段階式。
チルトボタンの先端面にもラバーグリップ材が張り付けてあります。
このチルトスタンドの有無でどれくらい違いが出るのか。
側面視点での角度の差はこんな感じ。
僕自身はスタンドを立てた状態が使いやすかったので、チルトスタンドを立てて使用中。
専用オーディオコントロールキー搭載
右の回転ダイアルで音量の調整・左の横長ボタンでミュート切替が可能。
この回転ダイアルは、回転の度にカチカチとした強めのノッチが効いており「1ノッチ=2ボリューム」ごとに細かく音量を調整できます。
ただ、ここで注意点が一つ。
この「Vulcan TKL Pro」では、この「専用オーディオコントロールキー」を採用したことによって、通常配置されている一部のキー【「PRINT SCREEN」「SCROLL LOCK」「PAUSE BREAK」】の3つが省略されています。
使い始めは「この3ボタンが使えない?!困る!」と思ったんですが、
「FNキー」+「INS」「HOME」「PG」キーの同時押しでこの機能も使えました。
僕自身「PRINT SCREEN」は画像を拾ってくるときに多用するし「PAUSE BREAK」にはNVIDIAの「録画ON/OFF」で使っていたので焦りましたが、使えると分かって一安心。
これらのキーをよく使う人も安心して大丈夫です。
Titanオプティカルスイッチについて
今回の「Vulcan TKL Pro」では、キースイッチに新型の「Titanオプティカルスイッチ」を採用しています。
画像出典:ROCCAT製品公式HPより
スイッチを押下した時に、光がシャッターで遮断されることによって入力を検知するという新しいスイッチ構造です。
①作動検知に光学技術を利用することで、従来のメカニカルよりも入力検知速度に遅延がなく『正確かつ高速』で行えること
②通常のメカニカルスイッチに比べて、物理的接触がないため『耐久性の飛躍的向上』につながること
「反応速度」と「耐久性」を極限にまで高めたモノが今回の新型キースイッチです。
メカニカルスイッチの性能比較表
スピード軸 | Titanオプティカル | 赤軸 | 青軸 | |
作動接点 | 1.2 mm | 1.4 mm | 2.0 mm | 2.2 mm |
キー荷重 | 45 g | ー | 45 g | 60 g |
このアクチュエーションポイントが浅い程、高速に入力動作が可能となるため、0.1秒の操作が勝敗を分けるFPSゲームとの相性も非常に優れたスイッチ特性。
使い手によって一概に「浅ければ良い。」という訳でもなく、バランスと慣れが重要となります。
一方でキーを押下する時の重さである「キー荷重値」ですが、公式サイトや各種サイトに一切情報が出ていないため不明。
そのため実際に触った感覚論で申し訳ないですが
おそらく赤軸(45g)と同じか、赤軸よりも若干重めかな?という荷重圧。
感覚的には45g~50g前後だと思います。青軸(60g)のような極端な重さではないため、入力動作でも疲れにくく快適な操作感と言えそうです。
「Vulcan TKL Pro」の打鍵音・使用感について
打鍵音は、実際に聞いて頂いた方が分かりやすいので参考動画をYoutubeに投稿しました。
40秒ほどの動画ですが参考にどうぞ↓(ヘッドホン・イヤホン推奨)
この「Titanオプティカルスイッチ」は、ストローク時の抵抗がないため、赤軸のようなリニアな打鍵感。
長時間の使用でも指への負担が少ない打鍵感となっています。
FPSゲームでの使用では、アクチュエーションポイントが1.4mmと浅く、入力検知を光の遮断で行ってくれるため反応速度も申し分なく業界でもトップクラスの入力速度で快適にゲームをプレイ可能。
これに加えて、この「Vulcan TKL Pro」はRGB発光の良さが他社のキーボードと一線を引く美しさで、所有欲・デスク映えのインパクトが頭一つ抜きんでている点も大きなメリット。
透明なクリアハウジングと薄型キーキャップを採用していなければ、ここまで綺麗なRGB発光はなかなか実現できません。
ここで気になった点が一つ。
僕はこれまでに33枚のゲーミングキーボードをレビュー・使用してきましたが、手でキーキャップを外せないほどに堅牢なキーボードは「Vulcan TKL Pro」が初めて。(キープラーなら外せます)
これのおかげ?なのか。普通のキーボードと比較して「斜めでの入力もかなりスムーズ」に入ってくれるのには驚きました。
FPSゲーム時にとっさの「Gキー(グレネード投擲)」や「Mキー(マップ表示)」など、離れたキー操作で斜めに入っても軽い力で正確に入力動作が可能です。
また、横長キー(スペースやエンター)には、押下時のガタツキを防ぐスタビライザーももれなく設置されており、キー押下の安定感も申し分なしと言えます。
ステップスカルプチャーとは、キーボードの構造を示す言葉で、キーが段ごとに階段状の段差を持ち、キートップの傾斜確度によって上下の段が緩やかな凹型を描いてるような構造のこと。
一般的にこのステップスカルプチャー構造を採用しているキーボードが多く、この湾曲形状に慣れている人が多いため「Vulcan TKL Pro」の使い始めは若干違和感を覚える人が多いと思います。
僕自身慣れるのに1時間ほどかかりました。
個人的に慣れれば使い心地の点でも一切問題ありませんでしたが、一応補足事項として挙げておきます。
「Vulcan TKL Pro」のソフトウェア
ROCCATの専用ソフトウェア「SWARM」で様々なカスタマイズが可能です。
①全般設定
他社メーカーにはこのような設定は無くROCCAT独自の項目です。
普通にFPSゲームをプレイする分には上記設定は使わない項目ですが、遊び心のある設定項目画面となっています。
②キー割り当て設定
ゲーミングキーボードらしく、マクロ機能やキーバインドの設定画面。
様々な割り当てが可能ですが、注意点が2つ。
一つ目は、キーバインド(キーの変更)機能がゲームモードONの時にしか、このキーバインド設定は反映出来ないという点。
尚、この画面では「EASY-SHIFT機能」が設定可能。
この機能は、1つのキーに2つのコマンド(表・裏)を搭載できる機能で「EASY-SHIFT切替キー」を【押す・押さない】で2コマンドを1つのキーで使い分けすることができます。
ソフトウェアに関しては、上記2点で今後改善の余地がありそうです。
ただ、これら機能は不要で「普通に使うよ」という人にとっては関係のない項目なので、これらを目当てに購入される人だけ注意されてください。
③キーイルミネーション設定
一方で、このLED設定はクリックだけで簡単に設定変更が可能です。
初期で搭載されているLED発光の初期プリセットは以下の通り。
①インテリジェントライティング
②ウェーブ
③スネーク
④常時点灯
⑤ハートビート
⑥ブレス
⑦フェード効果
⑧リップル効果
⑨カスタムモード
文字で上記効果を伝えるのは困難なため心苦しいですが、非常に多岐に渡って豊富なプリセットが搭載されています。
速度や明るさも、この設定画面から調節が可能なので、LED設定に限っては使いやすいソフトウェアと言えるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回はROCCATのゲーミングキーボード「Vulcan TKL Pro」をレビューしていきました。
新型光学スイッチの採用により反応速度が飛躍的に向上している他
耐ストローク1億回という耐久性がウリの新型TKLモデル。
今後、日本語配列モデルも発売されるのを大いに期待しています。気になった方は是非ともチェックしてみて下さい。
それでは今回はこのへんで!デバイスレビュアー「RYO(@ryo_blog_fps)」でした^^
バイなら!
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